Spare the rod and spoil the child.
昨日につづき、『命令文』の並列。
前半は、『spare(~を惜しんで使わない、節約する)』が『動詞』、その『目的語』が『rod(棒、鞭)』なので、「鞭を惜しんで使うな」
後半が、『spoil(~を無駄にする、だめにする)』が『動詞』で、『目的語』が『child(子供)』なので、「子供をだめにしろ」
意味的には、『命令文, and~』の形ととって
「鞭を惜しめ、そうすれば子供がだめになる」
から「惜しんではいけない」という、表面上の言葉とは逆の意味を含んでいる『反語』と捉えると理解できると思います。
ただ、文法的には昨日と同じく、『命令文』2つを『and』で並べているだけですので
「鞭を惜しめ、そして子供をだめにしろ」
と口では言っているが
「鞭を惜しむな、そうして子供をだめにするな」
という反意を込めているのでしょう。
子を持つ親としては、この意味は重々承知です。
もちろん鞭とまではいきませんが、甘やかすつもりは毛頭ありません(対生徒でも??笑)。
ところが、体罰厳禁なこのご時世ですから、このことわざの意味も
「鞭は使うな、そうでないと(鞭を使うと)子供がだめになる(から)」
というニュアンスに変わってきているようです。
ちなみに、この意味を持つ日本語のことわざは「可愛い子には旅をさせよ」ですが
これも、もともと昔は旅は非常に(時には帰ってくることもできないくらい)大変なものだったわけですから
「可愛い子には(だからこそ)旅をさせよ(くらい厳しい経験をさせなさい)→甘やかしてはいけない」という感じ。
ところが、現在では旅も便利で楽しいものですから
「可愛い子には(なんだから)旅をさせよ(て、たくさんの経験をさせてあげよう)」
と、前向きなニュアンスに変わってきているようで、甘やかし厳禁の本来の意味は完全に薄れてしまったようです。