H31千葉前期入試(英語)

2019/02/27 投稿

最後に英語を考察しておきたい。

 

全体のイメージとしては標準。

ここ数年、連続でリスニングの形式が変わっていたが、これでひとまず形は固まったと見てよいだろう。

 

【1】リスニング-応答

(1)入口では標準的な受け答えではあったが、出口で「I’m good.」で惑わされる生徒がいたか、程度。

(2)ここではこれが一番正答率が下がるか。「Can I ~」で始まり、「Yes,」なり「No,」なりの答えを探そうとして、「Just a minute, please.(ちょっと待って下さい。)」は思いつかない生徒がいるかもしれない。

(3)「Do you have the time.(時間分かりますか。)」とのひっかけの問題だが、つくり自体は親切なもので、流れで「Do you have time.(時間ありますか。)」だと分かるだろう。(1)より若干正答率が下がる程度。

 

【2】リスニング-質問(イラスト)

(1)シチュエーション(絵画の鑑賞)がわかりづらいか。イラストもその絵画事自体であることが分からない生徒もいたかもしれない。質問の「like the most.」と会話中の「the best part」と解答のつながりも直接同じ単語がないので、これが一番正答率が低そう。

(2)数字の関係(5人=10冊より多い冊数、11人=0冊)を聞き取ればいいだけなので、決して難しい問題ではないのだが、グラフ自体をあせりから読み取り間違えそうではある。場合によっては一番難易度が高いのかもしれない。これで、本人(ナオミ)自体の冊数(6冊)が選択に影響すると難易度がグンと上がる。

 

【3】リスニング-質問(英文)

(1)シチュエーション問題は生徒たちが苦手とするパターン(自動的に正答率が下がる)なのだが、「doctor」の1語があるだけで、だいぶ想像しやすかったのではないか。「flowers」の単語も「books」の単語も、入院中であると気づけばつながる。

(2)内容的には一番分かりにくかったかもしれない。「at the same time(同じ時間で)」さえ聞ければ間違えようもなさそうであるが、「same」という単語は生徒が覚えない単語のひとつで、「Call me back soon.」の最後の一言につられてAの「call back」を選ぶ生徒と合わせて、ちょっと正答率が下がるかも。

 

【4】リスニング-単語

(1)「highest mountain」はそのままなので選べるだろう。意外に曲者なのが最後の「, but it is not the longest river in the world.」の一文で、「river」自体が聞き取れた生徒でも解答から除外してしまいそう。

(2)①が「October」であることは分かるだろうが、最初を大文字にしていない生徒は少なからずいるハズ。月や曜日に関しては必出と言っても良いくらいなので、気をつけたい。②の「health」は単語的にも怪しいし、文のつながりも逆になっているので、意外に難易度が高い。全体の中でも正答率は一番低く出そう。

「彼女がしていること」→「Because of these things(これらのおかげで), she is in good health(彼女は健康である).」

「The important things for her health are(彼女の健康に重要なことは)」→「彼女がしていること」

全体的にリスニングの難易度は昨年より断然高い。

 

【5】語形変化、語順整序

(1)「without(前置詞)」の後の動詞は「practicing(動名詞)」。これはクリアしないといけない。

(2)「music(名詞)」→「musician(名詞)」こういう語形変化が最も難しい。そもそも「music」のままで意味は通るのだから、何をすれば良いのか分からない生徒もいただろう。後ろの「He」まで目が届かない。常に問題は全体で考えるようにしたい。

(3)as ~ as の同等比較で挟むものは「good」しかないし、「Her」の次には「idea(名詞)」は持ってこれるだろうから、間違えてはいけない問題。

(4)「between A and B(AとBの間)」のつながりは気付けるだろうが、どうしても疑問詞「What」があるとすぐに「is(be動詞)」を持ってきたくなる。ちょっと正答率は下がりそう

What is (「the」) color between red and yellow?「赤と黄色の間の色は何(何=色の関係)?」

解答はWhat color  is between red and yellow?「赤と黄色の間は何色(がある=存在)?」

疑問詞+名詞はまずセットにするクセをつけたい。

(5)want 人 to 不定詞の関係はさすがに落とさないだろう。

 

【7】中文

(1)話の筋は読みやすいのではないか。間違える要素も少ない。

(2)①「What did the boy think ~」で聞かれて、「He wanted ~」が答えの部分であることに気付けたか。「found a new asteroid」がそのままあるので、場所的には見つかりそうだが、書き方を含め、正答率は低くなる。

②4行目の「The next story hasn't happened yet, but let's imagine.(次の物語はまだ起きていませんが、想像してみましょう。)」に気付いているかの問題。

(3)ポスター形式(今回はチラシだが)で情報が散らされると、文章以上に(実際は文章量は少ないのに)情報を整理できなくなる(見つけられなくなる)。

整理できないまま選択肢を見ると

①ウ「discount」「on the internet」

②ウ「get free shipping」

など、本文と同じ単語が多く含まれている文を選んでしまう。

 

【8】長文

(1)enjoy ~ingの形になることは受験生なら当然。カッコの後ろにat があること、本文中に「looks nice」の表現があるので、「looking」の解答になることは容易と感じたが、意外にも多く間違えている生徒がいた。“You should eat with your eyes first(最初に目で楽しみなさい)”と、意味が取りにくい部分があると、どうしても意識がそちらに取られ、こういうことになるのだろう。

(2)この大問では、これは取らねばならない問題。「Rin's bento」をキーワードに「traditional」であると探す問題。

(3)四角囲みの中が「apple rabbit」の作り方ではあるのだが、欄外にフィオナが実際に作ったものの条件があったのがポイント。まず、ここでミスる生徒が出る。

「I didn't use the seeds for their eyes.(目に種を使わなかった。)」

「I also cut the skin to make their ears short(耳を短くするために皮を切りもした)」

特に後ろの文意が取りにくかっただろう。

イラストがウとエはウサギに見えないのがポイントで、最初の罠をクリアしても、1文目でアに飛びつくとアウト、というパターン。

結構正答率が下がる可能性がある。

(4)私的にこれが一番難解だと思うのだが。

「Cut an apple in half(1つのリンゴを半分に切る)」、「cut each half into three pieces(半分をそれぞれ3等分する)」=「six pieces」なのだが、こういう計算が必要なパターンは正答率が下がる。

が、他の選択肢が比較的違うポイントが明らかなので、結果的に時間が許せば正答率は上がるだろう。

結果、全体として昨年がやさしかったので、難しい印象が顕著。

 

【9】会話

逆にこちらは昨年が少し難しめだったので、それよりはやさしい印象。しっかり前後の受け答えを見れば全問正解も可能。

ただ、個人的には会話の流れが納得できず、(3)のために3回読み直した。

ジョーの「football(アメリカ)」の単語に、最初にマサルが「soccer?」と反応したのに対し、ジョーが「soccer(イギリス)」を「football」と言い直した時には、それをマサルが『イギリスでは「soccer」を「football」と言うの?』 と逆質問。マサル君は誰が「football」を「soccer」の意味で使うと思っていたんでしょう?

話の流れが不自然というか、不親切な気がするのは私だけか?

まあ、質問で返している→理解してない=ア

であり、それ以外が成立しないのだが、ここは若干正答率が下がりそう。

 

トータルとして、特にリスニング、長文で難易度が上がったので、昨年の前期よりは平均は低くなるだろう。

手計算では58.4となったが、もう少し下がる可能性もあるだろう。